現役作詞家が教えるメッセージを伝える作詞のコツ【アニソン編】

メッセージを伝えることは作詞において重要です。

しかし、自分の伝えたいことを音楽にのせる作詞では文字数を制限されてしまったり、メッセージが音楽にマッチしないなど時折問題が起こります。

そこで当記事では、現役作詞家として活動する私がアニメソングにおけるメッセージを伝える作詞のコツをご紹介します。

最後まで読んでいただければ、あなたの作詞のスキルアップにつながりますので、ぜひご一読ください。

サウンドハウス

アニソンは元の作品の世界観を壊さないことが重要

アニソンは基本的には元となる作品があります。

近年では、アーティストとのタイアップを前提にしているために、元の作品と楽曲に直接的なつながりがないものも多く見受けられるようになりました。

とはいえ、世界観を壊してしまうほどの楽曲ではアニメとマッチしません。

では、元の作品を壊さないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

作詞をする側からできることは、元の作品に目を通すことです。

音楽は様々なインスピレーションからアーティストがイマジネーションを駆使して、作成します。

つまり、アニメを事前にみてしまえば自然と世界観を作品に反映することが容易になるのです。

アニソンは作品からメッセージを抜粋し、伝えることが大事

アニメにも、楽曲にも共通することは「伝える」ということです。

それぞれメッセージ性をもっていなければファンの心を掴むことはできません。

アニソンは幸いなことに元となる作品があるので、作中から「伝えたいこと」を抜粋することができます。

自分でみてもよくわからない場合は、作品の原作者や監督と繰り返し打ち合わせをして、伝えたいことをヒアリングする必要があります。

サウンドハウス

楽曲の使用用途に応じて方向性は変わる

楽曲がオープニング曲なのか、エンディング曲なのか、挿入歌なのかによって方向性は変わります。

例えば、オープニングの場合は題材にしているアニメ作品全体のイメージを損なってはいけません。

一方、エンディングは自由ですが、作品のなかのキャラクターの心情などを歌ったものが多いといえます。

一番重要なのは、挿入歌です。

挿入歌はアニメ作品の場合は、作中で一番重要なシーンでバックBGMとして流れることが多いです。

当然ながら作品のシーンにマッチしている必要があるので、監督や原作者との念入りな打ち合わせが必要です。

このようにアニソンとはいえ、楽曲の使用用途によって作り方は異なるのです。

キャラソンはイメージを書き出すのがコツ

キャラクターソングは、アニメ作品のなかに登場するキャラクターのイメージを損なわない工夫が大切です。

登場人物のプロフィールや立ち位置を網羅するのも大事ですが、作品を一度視聴し、イメージをノートなどに書きだすと作詞がうまくいきます。

基本的には、原作者はキャラクターに個性を与えるように作品をつくっていますが、たまに同じような特徴を持つキャラクターがおり、イメージが混同してしまう場合があります。

このような混同を生まないためにも、ノートにキャラクターごとのイメージを書き出しておくことが大切なのです。

また、キャラソンは対象の声優さんが歌うことを前提としていますので、声優さんが歌いやすいように工夫してあげるようにしましょう。

作詞家としてできることは、声優さんがしやすい言い回しを多くしたり、キャラクターのセリフなどを織り交ぜたりなどです。

このような配慮がスタッフとの絆をより深いものとします。

サウンドハウス

アニソンは非現実的な表現もできる!色濃い作詞をしよう

アニソンの作詞は現実的ではない、ファンタジックな表現をするチャンスです。

普段使いなれない言葉をつかえるので、作詞の幅は格段に広がります。

ただし、作品という縛りがある以上、それをないがしろにすることはできません。

また、当記事で紹介した内容はアニメだけを対象としているのではなく、秋葉系のアイドル楽曲やゲームの主題歌などにも代用することができます。

アマチュアでも自作アニメや自作楽曲を製作する際に使える知識ですので、ぜひ役立ててください。

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