「伴奏者」というと、歌や楽器のソリストから依頼されてピアノを担当する伴奏者を思い浮かべる人が多いですよね。
伴奏者は目立ってはいけない、あくまでもソリストがメインで、伴奏者はソリストよりも目立たずに裏の音を奏でる…そんなふうに思っている人もいるでしょう。
かくいう私自身も「伴奏者なんて誰がやっても同じでは?」と思っていた時もありました。
しかし、実は伴奏者の仕事ってとても大事。
ソロでのピアノの仕事より、気を配ることややることはたくさんあります。
そこで、伴奏ピアニストの仕事のことや、「また頼みたいな」と思われるような伴奏者になるための演奏方法についてご紹介します。
伴奏者の仕事とは?
伴奏者の仕事は、歌や管弦のソリストがリサイタルをする際に伴奏者として依頼される場合や、合唱団などの伴奏者の仕事として依頼される場合などがあります。
基本的には、伴奏者はソリストや指揮者から準備された楽譜を演奏するのですが、それ以上にソリストに呼吸を合わせることが一番の仕事でもあるのです。
ソリストの心の内や表情、仕草などを読み取りながら演奏するのも、伴奏者の大事な仕事。
時に、ソリストたちは伴奏者のことをパートナーと呼ぶことがあります。
ソリストと伴奏者は、呼吸を感じて一つの音楽をクリエイトしていくことから「伴奏者とは夫婦以上の関係」というソリストたちもいるほどです。
自分の奏でたい音楽や呼吸のこと、無音の時間もシェアすることができる伴奏者のことを心から信頼している人が多いのも納得ですね。
伴奏者を求めているソリストたち
実際にソリストたちは常に良い伴奏者を求めており、伴奏者ジプシーのソリストの人たちは大勢います。
オーケストラなどの練習場では「ピアニスト探し」が頻繁に行われていることも多いです。
彼らソリストからしてみると「やっと伴奏者を見つけた」と思っても、いざ演奏してみると気が合わなかったり音楽性が一致しなかったり…
ソリストたちにとって、ずっと共に音楽を続けられる伴奏者とめぐり逢うのは簡単なことではありません。
そんなソリストたちが求める理想の伴奏者とはどんな人でしょうか。
呼吸を合わせてくれる
ソリストと伴奏者の間で、演奏の合図や間の合図など、アイコンタクトや呼吸で行われます。
アイコンタクトができない場合は、呼吸で判断することに。
しかもチェロやコントラバスの伴奏となると、表情を読み取ることが難しい場合もあるため、主にソリストの背中の呼吸を見てタイミングを判断することになります。
音楽は呼吸で決まると呼ばれるほど繊細なものですが、ソリストの呼吸を見事に読み取ってくれる伴奏者はとても重宝されるでしょう。
とっさの時の機転が利く
伴奏者としてのスキルに「とっさの時の機転が利く」ということがあります。
演奏会の本番では、ソリストの緊張がマックスになり、予想もしないアクシデントが起こることもしばしば。
伴奏者はそんな時、ソリストのとっさのミスにもすぐさま反応して軌道修正するなど、かなり高い音楽スキルが求められます。
多彩な音を表現できるテクニックを持っている
伴奏者は、単なるメロディーに沿った音を弾くだけでなく、ソリストと一緒に音楽を作り上げていくという仕事があります。
ソリストと伴奏者それぞれ独自の音楽性がありますが、ソリストの音楽性に沿いながらも、独自の音を奏でてくれる伴奏者はとても重宝されるでしょう。
作曲家の出したかった音色を多彩に表現できる伴奏者は、ソリストの才能を大きく引き出す可能性もあります。
単に楽譜を追うだけでは伴奏者の仕事はできません。
作曲家の意図を汲みとりつつ、ソリストとの音のバランスやハーモニーの美しさを計算しつくして演奏することができる伴奏者に出会うと「またこの人に頼みたい!」と思われて、多くのソリストから求められる伴奏者になるでしょう。
伴奏者としてotosica(オトシカ)に登録しよう!
伴奏者としてどんどん仕事が欲しい!と思った時、周りにソリストが居ない、ソリストとの出会いがないということもありますよね。
特に音楽大学を卒業して時間が経っていると、音楽関係者との出会い自体が少なくなってしまいます。
そんな時は、音楽スキルシェアマーケットのotosica(オトシカ)に登録して、伴奏者を求めているソリストに向けてアピールしてみましょう!
otosica(オトシカ)でアピールする際には、自分の演奏できるあらゆる伴奏スキルを書いておきましょう。
・楽器と合わせるのが得意、歌と合わせるのが得意など得意分野
・アレンジ可能かどうか
・初見能力が高い
これらのことを書いておくことで、ソリストたちが伴奏者を選ぶ参考になりますよ。
(※otosicaは2020年秋スタートです。)
まとめ
伴奏者の仕事について、また求められる伴奏者像についてご紹介しました。
求められる伴奏者になるためには、次のことがポイントです。
・ソリストの音楽性に合わせつつも、自分の音を表現する能力が求められる
・とっさの時に反応できるスキル、ミスに柔軟に対処し軌道修正する能力がある
伴奏といえども、ただ単に楽譜通りに弾くだけではなく独自の音楽性を表現することができる人が求められる伴奏者になるポイントです。
伴奏者としての経験値を積むことも大切ですので、謝礼金額に関わらずいろんなジャンルの伴奏を経験してみることもおすすめですよ。