音楽制作における特殊音声とは何か?

特殊音声は、音声生成の段階で何らかの障害が生じた際に出る音のほか、音声合成の開発で偶然に生じたものなど、その言葉の持つ意味は多義に渡ります。

そこで今回は、「音楽制作における特殊音声とは何か?」と題しまして音楽制作における特殊音声についてお伝えしていきたいと思います。

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音楽制作で使用される特殊音声とは?

音楽制作における特殊音声とは、効果音や音声合成などを指します。

効果音とは?

効果音とはSE(サウンド・エフェクト)のことで、映画や演劇、ドラマ、ゲームなどで演出として付け加えられる音のことです。

具体的には、水道の音、蛇口をひねる音、車の走行音、踏切など、日常生活で耳にする生活音から、波の音や川のせせらぎの音、雷といった自然界の音や環境音がそれに当たります。

また、自然界には存在しないけれど、その音を付け加えることで、その場面が引き立てられる音なども効果音です。

例えば、瞬間移動やUFOなど、非現実的な場面で使用される音などがそれで、SF(サイエンス・フィクション)映画では多用されます。

効果音は、本物の音をマイクで収録したものを使用する場合もあれば、何もないところから作り出した音を使用する場合もあります。

例えば、波の音などは、小豆を大きな傘やザルで転がすことで本物そっくりに再現することが可能です。

SF映画などで使用される非現実的な音などは、一昔前までは前述の波の音と同様に手作業で作られていましたが、現在ではシンセサイザーで作られるのが一般的です。

シンセサイザーに関しても、以前はアナログシンセサイザーとエフェクターを使用して、一つひとつ手作業で効果音を作っていましたが、現在では、デジタルシンセサイザーやサンプラーなどを使用するのが主流となっています。

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音声合成とは?

音声合成とは、人間の声を人工的に作り出したもので、その歴史は古く、300年ほど前には既に母音を作り出す機械が製造されています。

その後は、実際に「しゃべる」機械が作られていて、これらの技術は現在の音声認識ソフト(iPhoneのSiriなど)でも応用されています。

また、電話や自販機などの自動音声の多くは音声合成を使用しています。

音楽制作の現場での音声合成

音楽制作の現場での音声合成は、1930年代に開発されたボコーダーや、近年ではヤマハが開発したボーカロイドなどを指す場合があります。

ボコーダーは、エフェクターの一つとして用いられる場合もありますが、一般的にはシンセサイザーの一種として広く認知されていて、YMOの楽曲「TECHNOPOLIS」の冒頭での使用が有名です。

一方、ボーカロイドはヤマハの登録商標で、ヤマハが開発した音声合成技術の総称であり、もっともポピュラーな存在に初音ミクがあります。

近年では、初音ミクをメインボーカルに起用した楽曲が若い世代を中心に受け入れられていて、ニコニコ動画やYouTubeからヒット曲が数多く生まれています。

初音ミクを起用したコンポーザーとして絶大な支持を得ている一人に米津玄師がいますが、ボーカロイドをメインボーカルに起用した楽曲(ボカロ楽曲)は、日本が生み出した新しい音楽ジャンルといえます。

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まとめ

「音楽制作における特殊音声とは何か?」と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

音楽制作の現場では、古くから特殊音声が使用されてきましたが、特殊音声の技術は、その時代のエンターテインメントに大きく反映されているのが特徴です。

これまでにヒットした映像作品や楽曲の中には、特殊音声が使用されているものが数多くあり、原始的ながらも定番の音として現在でも使用されている特殊音声もあるので、耳を凝らして聴いてみるのも面白いですよ。

今回の記事が皆さんの参考になればうれしいです。

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