一昔前までは、音楽制作の現場はスタジオでおこなうのが主流でしたが、今では技術の進歩により、音楽制作の場は自宅でも可能となりました。
一般的に、自宅で楽器レコーディングや音楽制作をおこなうことを日本の音楽業界では宅録と呼んでいます。
宅録は、パソコンと楽器レコーディングに最低限必要な機材を導入するだけで気軽におこなうことができます。
そこで今回は、「初めての宅録!楽器レコーディングに最低限必要な機材とは?」と題しまして、
宅録初心者の方が、気軽に音楽制作できる機材の導入方法をお伝えしていきたいと思います。
▼オーディオマガジン、ながら聴きはコチラ
楽器レコーディングと宅録環境
宅録で主に使用する機材は、以前まではMTR(マルチトラック・レコーダー)と呼ばれる録音機材を使うのが一般的でした。
MTRは、その名前の通り、複数の音をマルチ(多岐にわたり)に録音・編集が可能な機材で、楽器レコーディングに必要なエフェクターやイコライジング、音量調整などを一台の機材でおこなうことができます。
しかし、現在では、パソコンとDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)、Audio I/F(オーディオ・インターフェイス)さえあれば、MTR以上の音楽制作が可能となりました。
DAWとは、パソコン上で起動できる音楽制作専用のアプリケーションで、MTRよりもさらに高度な音楽制作が可能で、VST(ヴァーチャル・スタジオ・テクノロジー)と呼ばれるプラグインを追加することにより、リアルな楽器サウンドを再現したり、スタジオ品質の編集をしたりすることができます。
DAWの主な機能
- ギターやボーカルなどの多重録音
- 外部シンセやプラグインを使用した打ち込み
- 音声編集やミックス
日本では、このようなパソコンを使用した音楽制作をDTM(デスクトップミュージック)と呼んでいます。
DTMは、机上でおこなう音楽制作を意味しますが、これから楽器レコーディングを始めたい方におすすめできる宅録環境への導入方法だといえます。
宅録や楽器レコーディングを始める際に必要な機材とは
宅録をこれから始めたい方にとって、最初の悩みは機材選びでしょう。前述したパソコンやDAW、Audio I/Fなどは、音楽制作のレベルによって機材選びも大きく変わってきます。
しかし、初めからプロ仕様の機材を導入するのは、初心者の方にとっては大きな負担となります。
これから楽器レコーディングや宅録の環境を整えたい場合は、必要最低限の機材から導入することがポイントです。
宅録や楽器レコーディングに必要最低限の機材
- パソコン(ノートパソコンも可能)
- Audio I/F
- DAW
- 打ち込み用のキーボード
必要なパソコンのスペック
パソコンは、できれば高スペックなものが理想ですが、下記のスペックを満たしているものであれば、基本的な宅録や楽器レコーディングに対応することができます。
- CPU: Intel Core i5以上
- メモリ:8GB以上(できれば16GB)
- ストレージ:500GB以上のHDD(可能であれば1TB以上のSSD)
DAWは、Intel Core i5以上のCPU搭載のマシンであれば、CPU内蔵のグラフィックスで十分に動作します。メモリは、将来性を考えた場合は、16GB以上搭載可能なマシンをおすすめします。
ストレージに関しても、快適な動作を望むのであれば、HDDよりもSSD搭載のマシンを選びのが無難です。
Audio I/FとDAWですが、初めて導入する場合は、SteinbergやRolandといった主要な楽器メーカーが販売している初心者向けのAudio I/Fで問題ありません。
というのも、主要楽器メーカーのAudio I/Fは、DAWとセットで販売している場合がほとんどだからです。Audio I/FとセットのDAWは、機能面での制限はありますが、基本的な宅録や楽器レコーディングなら十分にカバーできます。
まずは、DAWの操作に慣れてみて、必要であれば上級者向けのものを導入するのがベストです。
打ち込み用のキーボードに関しても、初めから上級者向けのものを選ぶ必要はありません。その理由としては、キーボードの操作性やタッチは、実際に使用して慣れないと分からない面が多いからです。
初めて打ち込み用のキーボードを購入する場合は、基本的な打ち込み入力ができるもので十分です。
まとめ
「初めての宅録!楽器レコーディングに最低限必要な機材とは?」と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
これから宅録や楽器レコーディングを始めたい方は、できれば楽器店へ足を運び、実際に機材に触れてみて、分からないことは、専門のスタッフに相談することをおすすめします。
また、twitterやYouTubeといったSNSで「宅録 楽器レコーディング」と入力すれば、機材についての情報をチェックすることができますので、ぜひ活用してみてくださいね。
皆さんの参考になればうれしいです。