あなたは、朗読や読み聞かせに苦手意識を感じていませんか?
実は、朗読や読み聞かせは音感を意識するだけでとても上手になるのです。
今回は、誰でもできる「朗読や読み聞かせが上手になる方法」をご紹介します。
とても簡単なことばかりなので、ぜひとも挑戦してくださいね。
物語と音楽は似ているところがある!
音楽には基本と言われる3つの要素(リズム・メロディ・ハーモニー)がありますが、実は物語や絵本などの「お話し」にも共通しています。
ストーリーには流れがあり、その流れには言葉の強弱や緩急などが入り乱れています。
例えば、絵本を子どもたちに読み聞かせるなら、その「流れ」を掴むだけでグッと子どもたちの心を引き寄せられます。
一つ、例をあげてみましょう。絵本「大きなカブ」の中にある、
「うんとこしょ、どっこいしょ、それでもカブは抜けません」という部分ですが、
ここはまさに「リズム」「メロディ」が重要になるポイントです。
抑揚も緩急もなく、いわゆる「棒読み」でただ読み進めるだけでは、聞き手に楽しそうな雰囲気やみんなで一生懸命がんばっている雰囲気は伝わりません。
「うんとこしょ、どっこいしょ!」で聞き手にリズムを感じさせて「それでもカブは抜けません」の部分は一息で話しきることでメロディ(流れ)を感じさせます。
リズム良く読むだけで、子どもたちは一緒になって「うんとこしょ、どっこいしょ!」と大きな声を出し、まるで自分が絵本の登場人物と一緒になってカブをひっぱっているような気分になるのです。
音感を活かすための3つのステップ
朗読や絵本をうまく進めていくためには、その本の全体像を把握することが大切です。
ここからは、朗読や読みきかせに音感を活用するためのステップを紹介します。
①全体像を把握する
まずは何も考えずに、自分のペースでゆっくりと本を読みます。
その時、あなたが「ここはいいな、ここは好きだな」と思えるところを見つけておきましょう。
その本をあなたが好きにならなければ、そこに音感を活かすことは難しくなってしまいます。
なお、この時は黙読でも問題ありません。
また、その本がとても感動的で涙を流してしまうようなら、その涙は聞く人の心を動かしますから、
読める程度になるまで何度も読み、軽減できるようにしておきましょう。
②声に出して読んでみる
全体像を把握し、感情のコントロールができるようになってきたら、声に出して読みましょう。
これは何度も繰り返します。
特に、絵本を朗読する場合には作者が意図的に「リズミカルに読んでもらおう」と思っている部分があることがあります。
カギかっこがついていたり、その部分だけ本の中で何度も繰り返されていたり、
わかりやすくなっていることが多いので声に出して読んでいるとそこに気づきます。
また、声に出して読んでいると、聴き心地の良いリズムやメロディ(流れ)だと感じる部分がでてきます。
まずは自分が「気持ちいい」と思えるものを何度も読むことで体に染み込ませましょう。
さらに、歴史の古いストーリーには誰もが知っているリズムがありますので、
それについてもしっかりと体で覚えておくようにしましょう。
③ハーモニーは、声だけでなく心も大切
朗読における「ハーモニー」は、音楽的なところではなく「シンクロ」に近いといえます。
リズミカルに読むところを一緒に読むことはもちろんのことですが、読み手が気持ちを動かされたところ(感動したところ)に、聞き手も同じ思いをもつかもしれません。
そうなると、読み手と聞き手が「気持ちでハモった」と言える部分がでてきます。
朗読や読みきかせにおける「ハモリ」とは、「共感」と言えるのではないでしょうか。
まとめ
今回は朗読や読み聞かせをうまくするコツを紹介しました。
ストーリーには音楽性があります。「リズム」「メロディ」「ハーモニー」を意識して、
その本やストーリーの音楽性を、自分の中で掴んでおくようにしましょう。
それができれば、あなたの朗読や読み聞かせで聞き手の心を掴むことができるのではないでしょうか。