コードブックを捨てよ町に出よう
初心者向けの教則本を買うと、巻末に必ずついているコードの一覧。
プロのミュージシャンってあんなの全て覚えてるの?って思っちゃうかもしれません。
実は…そんなわけないじゃん!
ギターを始めたばかりなら、必要なコードは4つだけ。
それさえ覚えれば、とりあえず古今東西の名曲のほとんどが弾けちゃうのです。
ホントに4つでいいの?
正確には「4つのフォーム」です。
弦楽器はその構造の特性上、1つのフォームを覚えれば平行移動するだけで別のコードが弾けちゃうのです。
まずこの図を見てください。
左はコードEのフォーム、右はFのフォーム。
勘の良い人ならもう気付いているはず・・・。
そう、Fを押さえる人差し指はEのときのナットと同じなのです。
実はEとFは違うフォームに見えて、ただ並行に1つずらしただけなのです。
そこになぜ気付かないのか?それはEを押さえる時は人差し指が3弦1フレット、
中指が5弦2フレット、薬指が4弦2フレットって覚えたと思います。
多くの教則本はそう書いてるしね。
それをちょっとずらして押さえてみましょう。
中指で3弦1フレット、薬指で5弦2フレット、小指で4弦2フレットです。
それを1フレットずらして、人差し指でセーハすると・・・ほら、Fになっちゃいました!
次の図はEmとFmの関係を描いたものです。こちらも同様ですね。
これもただ「図」として覚えるのではなく、Eで押さえていた3弦1フレットの音を離す、
コードの音が暗くなるんだってことは意識しておくといいかもしれないですね。
長3度が短3度にうんぬんって理論っぽい話はまだ考えなくてもいいですよ。
そして次はAとBの関係です。それからAmとBmの関係も。
これも同様に、ナットの部分をセーハして平行移動していること、
弦2フレットが1フレットになると響きが暗くなるんだなってことに注目してください。
以上、覚えなきゃいけないコードはE、Em、A、Amの4つだけ。
あとはそれを平行移動しただけなのです。ほーらギターなんて簡単でしょ?
鍵盤楽器ならいちいち「白鍵と黒鍵がー」ってなっちゃうのにね。
理論なんかいらないけど、これだけは覚えておこう
チューニングするとき、6弦からEADGBEってやるでしょ?あれの延長ですよ。
とりあえず、5弦と6弦だけは把握しておきましょう。
そしてEとF、BとCの間は1フレット分、それ以外はフレット分の間隔があることに注意してください。
E、Emの形なら6弦の人差し指がある場所がコードネームと同じになり、
A、Amの形なら5弦の人差し指がある場所がコードネームになるのです。
ちなみに、EとEmの平行移動のコード2種類しか知らないまま見事にメジャーデビュー、
数々のヒット曲を連発したしたギタリストを僕は知っています。
じゃあ4つのフォームで弾ける曲を教えて!
たとえばWHAM!(ワム!)の大ヒット曲「ラスト・クリスマス」のコード進行は
C/Am/Dm/Gだけなんです(ちょっと面倒なので原曲より半音上げてますけどね)。
たったこれだけで全英で初年度200万枚ですよ!なんて効率が良いんだ!ってなっちゃいますよ(笑)。
いや、もちろんメロディーと歌の良さは大前提なんですけどね。
ちょっと話がそれちゃいましたけど、この曲のコードなら、8フレットでEの形、
5フレットでEmの形、10フレットでEmの形(5フレットでAmの形もOK)、
3フレットでEの形っていう、2つのフォームで弾けちゃうのです。
他にもいろんな曲が考えられますが、ぜひ古今東西のヒット曲
(あ、最近のJ-POPはダメよ、ムダにコード多いから)に挑戦してみてください!
そうは言ってもこれだけでは限界があるので・・・
コードフォームの基本形にはそのほかにC、D、Gの形がありますが、
それはまた機会をあらためてご説明します。
それまで、この平行移動のアイデアをしっかり身に付けてくださいね!