ボイトレで本格的に声を出すとなると、自宅では難しいという人が多いかもしれません。
しかし、ボイトレの中には声を出さないトレーニングもあります。
もちろん、声を出さないからといって効果がないわけではありません。
積み重ねるほどに、効果が感じられるメニューばかりです。
そこで今回は、声を出さずにできる自宅用のボイトレメニューの効果と方法を5つご紹介します。
自宅ボイトレ1:腹式呼吸トレーニング
声を出さないボイトレの定番といえば、やはり、腹式呼吸トレーニングです。
お腹で呼吸をするトレーニングを繰り返すことで、たくさんの息を使って無理なく響く声を出すことができます。
腹式呼吸トレーニングの効果
腹式呼吸トレーニングの効果は、
- 息の量のコントロールができる
- 上半身をリラックスして無理なく発声できる
の2点です。
声帯を震わせて声を出すわけですが、息の量によって声の大小が変わります。
たくさんの息を使って声帯を震わせれば、大きな声になり、響きも美しくなります。
また、息の量を一定に保つことで声の安定感も増します。
このようなコントロールをするためには、まず呼吸法が大事なのです。
また、呼吸方法には胸で行う胸式呼吸とお腹で行う腹式呼吸があります。
胸式呼吸で歌うと胸の筋肉を使うことになるので、上半身に力が入りやすく、首や肩に余計な力が加わって、発声に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
しかし、腹式呼吸なら上半身のリラックスを保てるので、楽に発声ができるのです。
腹式呼吸トレーニングのやり方
- 仰向けに寝転んで、体の力を抜いてリラックスします。
- お腹の部分に軽く両手を当てて、息を吸いながらゆっくりとお腹を膨らませていきます。
- 上の歯と下の歯を軽く合わせた状態で歯の隙間から息を出すようにして、ゆっくりと息を吐いて行きます。お腹が凹んでいくのを手で確認しながら、ゆっくりと吐いていきましょう。
- この動作を30回程度、繰り返します。
自宅ボイトレ2:ロングブレストレーニング
腹式呼吸の次は、さらに踏み込んだ呼吸法のロングブレストレーニングにもチャレンジしてみましょう。
ロングブレストレーニングとは読んで字のごとく、長く息を吐き続けるトレーニングです。
ロングブレストレーニングの効果
ロングブレスブレストレーニングの効果は、3つあります。
一つ目は、息のコントロールがしやすくなるため、歌声の強弱のコントロールが自由自在になり、表現力が増すことです。
二つ目は、一定の息の量を長くキープすることができるので、声の安定感がアップすることです。
三つ目は、息の量のコントロールを感覚的に行えるようになるため、音程が取りやすくなることです。
ロングブレストレーニングのやり方
- リラックスした状態で立ったら、お腹に軽く両手を添えて、お腹が膨らみきるまでゆっくりと鼻から息を吸っていきます。
- 息を吸いきったら、10秒間程度、息を止めます。
- 腹式呼吸トレーニングの時のように、歯の隙間から息を出す感覚で一定の量で息を吐き続けます。
- この動作を30回程度繰り返します。
自宅ボイトレ3:ペットボトルで肺活量アップ
肺活量とは、肺から息を吐き出す時の量のことです。
歌う時は基本的に腹式呼吸なので、胸にある肺は無関係のように思えますが、実は密接に関係しています。
トレーニングにペットボトルを取り入れると、効率的に肺活量をアップできます。
ペットボトルで肺活量アップの効果
吸い込む息の量はお腹の膨らみによって決まりますが、吐く時はお腹の筋力に加えて肺活量も影響してきます。
つまり、肺活量があるほど息を吐き出す量が増加するため、綺麗な声を発しやすくなるのです。
一般的な肺活量の目安は、男性で約3000ml~4000ml、女性で約2000ml~3000ml程度ですが、ペットボトルを使ってトレーニングを続ければ、一般的な肺活量よりも数値を上げることができます。
ペットボトルトレーニングのやり方
- 柔らかめの500ml程度の空のペットボトルを用意します。
- ペットボトルの蓋を開けて、唇で包み込むようにして飲み口をを加えます。
- ペットボトルがぺちゃんこになるまで、全力で息を吸い込みます。
- 今度は、ペットボトルは元通りになるまで息を吐ききります。
- この動作を30回程度、続けます。
自宅ボイトレ4:舌を柔軟にするトレーニング
あまり会話をしない生活などが原因で、知らない間に舌が硬くなっているケースがあります。
舌の硬さは発声にも悪影響を及ぼすため、要注意です。
舌を柔軟にする効果
舌を柔軟にしておくことで、滑舌が良くなるのはもちろんのこと、喉の開け閉めや声帯の動きをコントロールしやすくなります。
さらに舌の根っこが柔軟になると、可動域が広がるので、喉の開け閉めの幅も広がります。
そのような原理から、発声や発音がスムーズになるのです。
舌を柔軟にするトレーニングのやり方
- リラックスして立った状態で、後ろで手を組みます。
- 後ろで組んだ手を少しだけ持ち上げて胸を張り、顎を少し前方の上方向に突き出します。
- 舌を出して上に伸ばして5秒間程度キープします。伸ばしている状態のまま右に伸ばして、同じく5秒間程度キープします。左方向も同じように行います。
- この動作を10セット行います。
自宅ボイトレ5:あくびで喉を開くトレーニング
普段、無意識に行なっているあくびの喉を体で覚えてしまえば、歌う時もスムーズに発声できるようになります。
意識的にあくび喉を作れるようになるために、トレーニングを積み重ねていきましょう。
あくびで喉を開く効果
実際にあくびをしてみるとよくわかりますが、あくびをする時は喉が開いている状態になっています。
あくび喉で喉が開いている状態になると、声の通る道が広くなり、響かせる空間もできるので、無理なく大きな声を出すことができます。
その感覚を覚えるために、あくびで喉を開くトレーニングが役立つのです。
あくびで喉を開くトレーニングのやり方
- 鏡に顔を映した状態で、リラックスして立ちます。
- 本当にあくびをするような感覚で、口をゆっくりと開きます。
- 喉が開いているかを鏡で確認しながら、あくび喉になったら、10秒間程度静止しましょう。
- この動作を10回程度、繰り返します。
自宅でのボイトレを積み重ねて地道に歌唱力をアップ!
自宅だからボイトレができないと思い込んでいる人にこそ、声を出さないトレーニングメニューをお試していただきたいです。
自宅でのボイトレで、息の量をコントロールしたり、喉を開けたり、舌をストレッチしたりなどのトレーニングを地道に続ければ、歌った時の感触が良い方に違ってくるはずです。