「半年でワンマンライブで151人集客!」と聴いたら
なんと素晴らしい成功談だろうか!という
いかにもセミナーなんかで取り上げられそうな
お話ですよね。
しかし、その151人が次のライブには
サッパリ消えてしまったらどうでしょうか?
それは、もはや時間と費やした労力だけが残るので、
完全な無駄と言い切れますよね。
この記事では、
「ワンマンがなぜ半年で151人も集まったのか?」
「そのお客さんはどこに消えたか?」といった
リアルなライブ集客の経験談について
解説していきます。
ライブに151人集めた集客方法.1|路上ライブで集客
もう、13年前の話になります…。
バンドを結成した若気の至りのついでに、
「よし、ワンマンライブや!」とバンドの持ち曲が
4曲くらいで日程をおさえてしまったワタシ。
呆れるメンバー。
そこから、怒涛の半年がスタートしました。
とりあえず、お客さんがゼロだったので
ストリートライブを行い、
ライブ力と集客の両方を満たしていくことを決意。
大きなボードに「チケット残◯枚」と
デカデカと書き、
MCでは「ソールドアウトさせたいんです!」と
訴え続けることを繰り返す日々。
チケットの半分以上は
路上ライブで掴んだお客さんです。
ライブに151人集めた集客方法.2|街頭で声掛け
3カ月くらい路上ライブを各地でやっていた結果、
許可を得ていないストリートライブは違法で、
道交法77条で禁止されていることを知ります。
現在ほど取り締まりは厳しくありませんでしたが、
よくないことはよくないこと。
お巡りさんに交番に連れて行かれ
「なぜいけないか?」ということを話し合い、
誓約書を書きストリートライブの継続は
断念しました。
しかし、「200人は動員したい!」という
思いがあったので、
次の戦略として、なりふり構わずに
街頭で感覚的にお客さんになりそうな
人類すべてに声を掛けていきました。
(絶対に真似しないで下さい。)
ipod(iphoneのオーディオのみ使用できるver.)で
音源を聴いてもらい、
次のライブの当日精算チケットと
ワンマンライブのフライヤーを渡し任務完了。
通行人からしたら本当にはた迷惑な話だな…と
現在では猛省しております。
ライブに151人集めた集客方法.3|友人のライブで客引き
街頭を行き交う人を見れば
全体のパイは無限にありますが、
実際に音楽に興味がある人はごく少数。
声掛けしてから、音楽を聞いてもらったりと
コミュニケーションに30分~1時間ほど
費やすことに気がついて、
街頭の声掛け作戦はスタジオやライブの空き時間のみ
行うようになりました。
街頭の声かけに代わり、
友人のバンドスケジュールを片っ端から押さえて
ライブに通うという作戦にチェンジ。
最初は人見知りの方も、
何度も通ってビラを配っている内に
だんだん顔見知りになり、
自分たちのライブにも来てくれるようになりました。
ストリートライブが封じられてから
ライブハウス客引き作戦は
最も効果の高い作戦となりました。
ライブに151人集めた集客方法.4|有名ミュージシャンのライブでビラまき
さらに、アマチュアのバンドで
これだけチケットが売れるのだからプロのバンドなら!と
ホールクラスのライブにも足を運びビラを配布。
普段ライブに行き慣れていない方ばかりなので、
直接的な効果はありませんでしたが、
SNSのフォロワーがグンと増え
拡散力が身につきました。
ビラには自分たちの音源のQRコードを掲載し、
結果的にメジャーレーベルの人の目に止まり
ワンマンにも数人が駆けつけてくれました。
(契約には至りませんでしたが)
ライブに151人集めた集客方法.5|SNSで見込み客にコンタクトを
「もっと沢山の人と出会う方法はないか?」と
上記の作戦と並行して同時流行っていた
SNSの足あと機能をフル活用。
自分たちに近い音楽性のバンドコミュニティや
地元のバンドコミュニティに登録している見込み客に
一日300人足あとをつけるという作業をしていました。
新規客には繋がりませんでしたが、
「バンドを見たことあるけど話しかけられなかった」といった、
自分たちが逃していたファン層に辿り着くことができ、
チケットが数十枚売れました。
人生でこんなに努力したことはあったでしょうか?!
メンバーの親兄弟・彼氏彼女まで集結させた
ワンマンライブがいざ決行!
この日のためにとことん集客に命をかけて、
なんと動員は151人。
目の前に広がる光景に
「あっ!売れた!」と少し勘違いするくらい。
事務所関係者も数名見にきてくれライブは無事終了。
「やれることは全部やった!」
全身全霊の半年間が過ぎ去りました。
しかし、悲劇はいきなり訪れるのです。
まとめ:集客した151人はワンマンライブ後に全て去り大失敗!!
ワンマン後のライブに半月くらい空けたブッキングライブ。
あんなにワンマンは満員だったのに…
なんと、動員は3人。
ワンマン前まではどんなライブでも
20人近く集まっていたのに…何故?!
理由は簡単でした。
自分たちは、ワンマンライブに向かい点を
何個も打っていくことでワンマン自体は成功しました。
しかし、その後のスケジュールが曖昧だったため、
一気にお客さんの熱が冷めてしまったのです。
お客さんだけではありません。
後日談になりますが、
集客に力をいれすぎて音楽がおざなりになり、
事務所との契約にも至りませんでした。
お客さんには分からないレベルでも
プロのスカウトマンからしたら
一目瞭然だったようです。
集客はとても大切です。
ライブハウス・業界関係者が鋭い目で確認している
一つの項目といっても過言ではありません。
しかし言い換えれば、
通知表のたった一項目なんです。
ミュージシャンの本業はあくまで「音楽」です。
もしかしたら自分たちに音楽の力が身についていれば
あの日のお客さんもいまだに
応援してくれていたかもしれません。