歌が好きな人なら、「ミックスボイス」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。
特にボイトレの中では、必ず出てくる言葉と言っても過言ではありません。
ミックスボイスとは声の種類の一つであり、高音を出しやすくするための発声方法でもあります。
今回は、ミックスボイスの感覚や練習方法、メリットなどをご紹介します。
ミックスボイスとは?どんな感覚?
ミックスボイスとは地声と裏声をうまく融合させたスムーズな響きの声のこと。
別名で、ミドルボイスとも言います。
ミックスボイスの感覚をつかんで歌に活かしていくことで、さまざまなメリットが得られます。
ミックスボイスの仕組み
声帯には、地声筋と裏声筋の2種類の筋肉があり、地声を出す時には地声筋、裏声を出す時には裏声筋をメインに使う仕組みになっています。
しかし、音域が広い曲を歌う場合、どちらかの筋肉ばかりを使っていると、声の響きが不安定になったり、音程を保つのが難しくなったりします。
そのような問題を解消するために生み出されたのが、地声筋と裏声筋をバランスよく使って発声するミックスボイスなのです。
地声筋と裏声筋をバランスよく使うことで、地声と裏声の変換点がなくなり、音域に関係なく安定した声が保てて、なお且つスムーズな響きを手に入れることができます。
ミックスボイスのメリット
ミックスボイスのメリットをまとめます。
- 地声と裏声の違いがなくなり、声の響きが安定する
- 地声から裏声の変換点がなくなり、声のひっくり返りを防げる
- 声帯に負担がかからないため、声枯れやかすれ声を防げる
- 高音域もスムーズに発声できるようになる
- 長時間歌っても疲れない
- 裏声メインで歌っていた人は声が優しくて強い響きになる
- 地声メインで歌っていた人はうるさい声が改善される
このように、声の響きだけではなく、声帯にとってもメリットある発声方法なので、ぜひ身につけていただきたいです。
ミックスボイスの感覚をつかむトレーニング
ミックスボイスの感覚をつかむためのトレーニング方法は、すごくシンプルで、家でも隙間時間に実践できる内容のものばかりです。
1日数分間でもいいので、ご紹介するトレーニングを実践していけば、少しずつミックスボイスの感覚をつかめるはずです。
ここで、YouTubeの参考動画とともに、ミックスボイスの感覚をつかむためのトレーニング方法をご紹介します。
あくび喉でミックスボイスの感覚をつかむトレーニング
ミックスボイスで発声するときの基本は、あくび喉です。
あくびをした時のような喉を作るとき、声帯が奥に入っている感覚をつかんでもらえるはずです。
この動画でも説明されていますが、声帯が上に上がって前に出た状態になると、地声の響きが強くなり、うるさい声になります。
動画の「8:55~」にあるように、あくび喉を作って声帯が奥にあるのを感じながら、「はー」と一音ずつ発声していきます。
その時、顔の真ん中辺りに響かせるつもりで発声する、高音になるほど響かせる位置を少し上にすることがポイントです。
小さな声でいいので、まずは感覚をつかむことに重点をおきましょう。
裏声から地声に変換するトレーニング
ミックスボイストレーニングを始めたばかりの人は、声量よりも喉の感覚をつかむことに専念したいので、小さな声で行うのがおすすめです。
しかし、感覚をつかんで中級程度になってきたら、声量を上げて地声に近い状態にしていくトレーニングも必要です。
そこでおすすめなのが、裏声から地声に変換するトレーニングです。
参考動画の「4:40〜」にあるように、最初は裏声で一音を「ほー」と発声し、そのまま地声に変えていくトレーニングを積み重ねていくことで、声帯の変換もスムーズになり、声に力が出てきます。
また、裏声と地声の響きの差がなくなってくるので、よりミックスボイスらしい声になってきます。
既存曲でミックスボイス変換をするトレーニング
ミックスボイスで発生しているプロのシンガーの曲を丁寧にコピーすれば、より明確にミックスボイスの感覚をつかむことができます。
この参考動画の中では、Official髭男dism「宿命」を練習曲に、カラオケの伴奏なしのアカペラで、丁寧に歌唱するトレーニングが紹介されています。
「5:13~」は小さい裏声で歌い、徐々にミックスボイスへとつなげていく方法が実演されており、とても参考になります。
ミックスボイストレーニングを地道に続けて感覚をつかむべし!
ミックスボイスのトレーニングを実践したからといって、すぐに声が変わるわけではありません。
喉の感覚をつかんで、動かし方などを習得するまでには少し時間がかかります。
しかし、1日に数分程度でもいいので地道に続けていくことで、リラックスした響きのミックスボイスを手に入れられます。
キンキン声や高音を出しにくいなどでお悩みの方には、ぜひ地道に続けていただきたいです。