現役作詞家が教えるメッセージを伝える作詞のコツ【J-pop編】

メッセージを伝えることは作詞において重要です。

しかし、自分の伝えたいことを音楽にのせる作詞では文字数を制限されてしまったり、メッセージが音楽にマッチしないなど時折問題が起こります。

そこで当記事では、現役作詞家として活動する私がJ-popにおけるメッセージを伝える作詞のコツをご紹介します。

最後まで読んでいただければ、あなたの作詞のスキルアップにつながりますので、ぜひご一読ください。

J-POPの定義

ロックや、バラード、レゲエなど音楽には様々なジャンルがあります。

J-POPの作詞テクニックを知る前にJ-POPとは何かご説明しましょう。

J-POPはその名のとおりJapanese Popの略語です。

実は、1980年代にはこの言葉は存在していませんでした。

ようやく言葉と概念が登場したのは1989年頃で、1993年頃には青年が歌唱する曲のジャンルとして認識されるようになったのです。

では、80年代頃の音楽が何と呼ばれていたのかといえば、歌謡曲です。

歌謡曲という言葉は近年は聞かなくなりましたが、きちんと区別されています。

音楽的違いは歌謡曲はBPMの早さが遅く、J-POPは早いということにつきます。

これは、メロディの質が邦楽から洋楽へと変化したことによって生まれたのです。

つまり、J-POPとは一言でいってしまえば洋楽のメロディを意識した邦楽といえるでしょう。

ただし、近年のJ-POPのヒット曲は平均値が95程度のスローテンポの曲も多く存在しています。

これは、人間が静かにしているときの平均が60BPM程度なので、この程度のテンポが人間の耳には心地よいのです。

結論としてJ-POPの誕生はBPMの加速から生まれましたが、かつての歌謡曲のようにスローテンポなものも好まれるようになっているのが、今の音楽シーンの現状といえるでしょう。

現役作詞家が教えるJ-POPの作詞のコツ

J-POPと呼ばれるジャンルの楽曲の作詞は、前述でもあげられているアップテンポなものが多いのでメロディに載せる文字を凝縮する必要があります。

つまり、必然的にそれなりに長い表現が必須になります。

また、J-POPの作詞ではその時代に適したトレンドワードを含めるのも効果的です。

トレンドワードとはいわゆる「現代語」で、その年に流行った言葉などです。

作詞家を志す人間は、国語辞典などに載っているような基本的な言語を理解しておく必要はありますが、トレンドワードにも敏感でなければならないため、テレビや雑誌、現代でいえばネット検索など多方面に情報のアンテナを張り巡らせておく必要があるのです。

構成的な部分でいえば、サビで一番伝えたいことを表現し、AメロやBメロで情景やサビで伝えたいことにいたるまでの展開を表現します。

ただし、しみじみとしたバラードや攻撃的なロックと違い、これといった決まりがありませんので喜怒哀楽の感情に偏り過ぎた表現は禁物といえるでしょう。

ヒット曲に共通する重要なこと

これまでの日本のJ-POPの歴史のなかで、実はヒット曲には共通していることがあります。

たとえば以下の曲に共通するものはなんだと思いますか?

  1. 川の流れのように/美空ひばり
  2. 心の旅/チューリップ
  3. あ~よかった/花花

タイトルだけみていただければ、ヒットした楽曲だとはわかっていただけるかと思います。

実は、これらの3曲に共通しているのは「ああ」です。

ヒット曲には歌詞に「ああ」の入っているものが多いです。

その理由は、このフレーズが日本人の耳に残りやすいためといわれています。

しかし、創る側の意図としては「ああ」が便利なので使っているというのはいうまでもありません。

作詞を既にしている方は、経験があるかとは思いますが、作詞をしているとどうしても字余りや字不足になってしまいます。

こんなときに便利なのが「ああ」なのです。

どこにでも入れられるのにも関わらず、耳に残りやすく歌いやすい「ああ」は正に魔法の表現といえるでしょう。

J-POPの作詞は伝えることよりも耳に残りやすくを重視しよう!

作詞においてメッセージを伝えることは大切です。

しかし、現代のJ-POPはメロディ先行且つメロディ重視のものが多いです。

はたから見れば、作詞をないがしろにしてメロディばかりを際立たせているように感じている方もいるかもそれません。

実は、それは大きな勘違いなのです。

耳に残りやすさを重視することがよりメッセージを伝えやすくする近道なのです。

ですので、J-POPの作詞をうまくするためにはメロディに適した言葉をきちんと自分の表現で行えるかどうかが大切といえるでしょう。

 

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