ボイトレの初めに
リップロールとセットでよく行われるタングトリル。
効果はほぼ似ていますが
それぞれに違う効果もあるため
セットでのトレーニングがおすすめです。
特に、高音域の声の抜けを良くしたいと
お考えの方にとって重要なトレーニングなので
しっかりと知識を深めておきたいですね。
そこで今回は、タングトリルの方法やコツ
リップロールとの効果の違いについて
見ていきたいと思います。
▼オーディオマガジン、ながら聴きはコチラから
ボイトレで行うタングトリルとは?
タングトリルとは
わかりやすく言うと巻き舌のことです。
上の歯の裏側の根本に舌の先端を軽くつけてから
息を吐くと「るるるるる」と発音されるはず。
口の開け方によっては
「ら」に近い発音もあるかもしれません。
日本語の中には巻き舌の発音がないため
日本人にはあまりなじみのない発音ですね。
しかし、イタリア語やラテン語の中には
巻き舌で発音する単語もあるので
該当する国ではすごく身近な発音のはずです。
ボイトレのタングトリルとリップロールの効果の違い
タングトリルとリップロールの共通する効果は、
- 力みがなくなり、高音が出やすくなる
- 正しく音程が取れるようになる
- 地声と裏声のつながりがスムーズになる
の3つです。
一方、タングトリルとリップロールの
決定的な違いは
震わせる場所が違う点です。
- タングトリル = 舌
- リップロール = 唇
震わせる場所が違うからこそ
効果にも違いがあります。
タングトリルには
舌の筋肉を柔軟にしてリラックスさせる効果があり
唇から口の周辺の筋肉をリラックスさせることで
歌うときの変な力みを防ぎます。
また、タングトリルで
舌の筋肉を柔軟にすると
喉をスムーズに開けられるように導きます。
タングトリルに慣れるほどに
スムーズな発声に
ふさわしい位置に舌が定まるため、
意識しなくても喉を開けるようになるのです。
実際にタングトリルをやってみると
あくび喉になっているのに気づきませんか?
前歯の裏側の付け根の部分に
舌の先をつけると
自然に舌が少し引っ込んだ状態になり
その時に喉が開いた状態になっているのです。
この状態を自然に作れるようになると
歌う時もスムーズに発声することができます。
さらに、舌の根っこ
つまり舌根を柔軟にしておくことで
自由自在に喉の開きを操れて
発声も発音もスムーズにできるようになります。
特に、高音域の声を出すときに
舌根が硬くなりやすい傾向にありますが
タングトリルのトレーニングを
積んでおけば大丈夫です。
一方、リップロールには
唇やその周りの表情筋をほぐしてリラックスさせる効果があり
口周辺から首
肩が力むのを防ぐ効果があります。
ボイトレのタングトリルの方法
タングトリルの方法はすごくシンプルですが
それなりにコツも必要です。
タングトリルの
基本的な方法を説明していきます。
- 下唇と上唇が軽くある程度に口を少しだけ開けた状態にします。
- 上の歯の裏側の根元に舌先を軽く当てます。
- 舌ををリラックスさせる息を吐きます。舌を振動させながら「るるるるる」と発音できればOKです。
ボイトレのタングトリルができない時のストレッチ方法
タングトリルの基本的な方法を実践しても
うまくいかない場合は
次のトレーニング方法を試してみると良いでしょう。
タングトリルができないのは
舌の硬さが原因になっている可能性が高いです。
その点に着目した
2つのトレーニング方法をご紹介します。
舌のストレッチ方法(1)
- 顎の先を上の方向に向けて
目線は天井に向けます。 - 人差し指と親指で舌をつまみます。
- 舌を脱力させてから、指を使って
いろんな方向に舌を引っ張って伸ばします。 - 顎を通常の位置に戻して正面を向いたら
同じ要領で舌を指でつまんで
いろんな方向に引っ張りながらストレッチします。
舌のストレッチ方法(2)
- 後ろで手を組んで下の方向に思いっきり引っ張ります。
体の後ろで腕を組んで下に引っ張り
胸を張った姿勢で舌を思いっきり出し - 胸を張った状態で顎を少し上に上げて
舌を思いっきり出します。
舌は鼻先を目指して伸ばします。 - そのままの状態で
20秒から1分程度静止します。
顎から首にかけて痛みを感じた場合は
無理せずに中断しましょう。
毎日少しずつでいいので
舌のストレッチをしていくと
タングトリルの成功率が上がります。
タングトリルとリップロールはボイトレの基本!
腹式呼吸や発音練習
ボイストレーニングのメニューの前に
タングトリルとリップロールを
しっかりやっておかなければ
心地よく高音を響かせることができません。
声を出すための土台でもある
口や舌を常にリラックス状態にして
喉が開きやすい状態にしておくことで
抜けがある高音を響かせられるのです。
ボイトレの基本として
タングトリルとリップロールの訓練を
積み重ねていきましょう。