皆さんはミックスとマスタリングという言葉を聞いたことがありますか?
ミックスとマスタリングは音楽を制作する上でとても重要な工程です。
音楽制作を始めると、誰もがぶつかる壁の一つに音質のクオリティがあります。
楽曲の構成やアレンジは問題ないのだけれど、完成した楽曲の音質がどこかおかしい。
どうしてCDと同じようなクオリティが出せないのだろう?
このような問題は、音楽制作を始めると必ず通る道なのですが、実は、音質のクオリティにはミックスとマスタリングが大きく関わっているのです。
そこで今回は「【ミックス・マスタリング】基本的な作業工程と考え方」と題しまして、楽曲の持つ雰囲気を左右するミックスとマスタリングの概要、基本的な作業工程と考え方についてお伝えしていきたいと思います。
音楽制作におけるミックスとマスタリングの概要
プロのミュージシャンが「今日はミックス作業をしています」とか「マスタリングが上手くいきました!」といった内容の話をしていますが、このミックスとマスタリングとは何のことなのでしょうか?
ミックスとは、簡単に説明すると、複数あるトラックを一つの曲としてまとめる作業のことをいいます。
一方、マスタリングとは、ミックスされた楽曲のトータルバランスを調整して良質な作品として聴ける状態に仕上げる作業のことです。
つまり、ミックスは楽曲をまとめる作業で、マスタリングは楽曲を聴けるクオリティの音質に仕上げる作業のことなのです。
ミックスの基本的な作業工程
私たちが普段耳にするミュージシャンの楽曲の多くは、スタジオでレコーディングされています。
なぜスタジオでわざわざレコーディングをおこなうのかといいますと、完成した楽曲がどのようなリスニング環境でもバランスの良い音で聴けるようにするためです。
現在のレコーディングは、一部の実況録音を除き、一斉にジャーンと演奏して終わりというわけではありません。
スタジオでのレコーディングは、それぞれのパートごとに「トラック」や「チャンネル」と呼ばれるものがあり、例えば、ドラムは「トラック1」ベースは「トラック2」といった感じで、個別に録音していきます。
そして、すべてのパートの録音が終われば、パートごとに音位置や音量を調整(ミキシング)して、2チャンネル(ステレオ)に落とし込む「ミックスダウン」という作業をおこないます。
これらの工程は、パソコンを使用した音楽制作の環境が普及された今では、アマチュアのミュージシャンでも気軽におこなえるようになりました。
ミックスとは、複数の音を一つの曲としてまとめる作業で、楽曲の特徴を明確にする重要な工程なのです。
マスタリングの基本的な作業工程
マスタリングは、前述の通り、ミックスされた楽曲のトータルバランスを調整する作業のことで、どのようなリスニング環境でもバランスよく楽曲が聴けるようにするための極めて重要な工程です。
私たちは、ミュージシャンの音源を当たり前のようにリスニングしているので、このマスタリングという作業についてはピンとこないかもしれません。
マスタリングを施した音源は、ラジカセで聴いてもパソコンで聴いても、音質にバラツキを感じることはほとんどありませんが、ミックスの段階では、リスニング環境によって音質のバラツキがどうしても生じてしまいます。
ここでポイントとなるのが音圧です。
音圧は、音のアタック感や情報を均一にする目的で調整をおこないますが、楽曲の個性をつぶしてしまっては元も子もありません。
プロの現場では、ミックスの段階でマスタリングの作業を想定した音作りが一般的です。
アルバムを聴いていて、曲から曲へと移行する際、急激に音量や音質が変化してしまうと、楽曲を聴いている側は疲れてしまいますよね?
マスタリングでは、ミックスされた楽曲のトータルバランスを調整するのはもちろん、楽曲ごとのバランスまで細かく調整をおこないます。
リマスタリングという言葉をよく耳にしますが、このリマスタリングとは、過去の作品を現在のリスニング環境に対応させるために施される作業のことです。
楽曲制作における録音で覚えておきたい考え方
一つ覚えておきたいのは、録音されたものは、あくまでも記録だということです。
私たちは、その記録されたものをさまざまなリスニング環境で聴いています。
時代が変われば、リスニング環境も変わるものです。
音楽制作における録音は、記録を残す作業でもあるわけですね。
このことが理解できると、音楽制作をする上で、ミックスとマスタリングがより身近に感じられるようになります。
まとめ
「【ミックス・マスタリング】基本的な作業工程と考え方」と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ミックスとマスタリングは、とても奥が深く、これが100%正解というものはありません。
しかし、ミックスとマスタリングは、アーティストが楽曲に込めた思いを引き出す素晴らしい作業です。
音楽制作を始めたばかりの方は、書籍だけでは少々分かりにくいかもしれませんので、YouTubeやニコニコ動画といった動画サイトでの無料講座などもぜひ活用してみてください。
動画サイトでは、映像に加え、音の変化なども確認できるのでチェックしてみてくださいね。
今回の記事が皆さんの参考になればうれしいです。